TL;DR
- パヴィア大学はイタリア最古級の大学のひとつで、医学部は6年制・英語課程(MBBS相当)を提供している
- 入学にはICAT(旧IMAT)形式の選抜試験が必要で、EU外学生向けの定員枠が設けられている
- 学費は比較的抑えられているが、最新の金額は公式サイトで必ず確認すること
パヴィア大学とは
ロンバルディア州パヴィア市に位置するパヴィア大学(Università degli Studi di Pavia、通称 UNIPV)は、1361年に神聖ローマ皇帝カール4世の勅書によって設立されました1。イタリア国内でも指折りの歴史を持つ研究型大学で、法学・医学・理工学など幅広い分野で長年の実績を積んでいます。
ミラノから南へ約30km、ティチーノ川沿いに広がる小さな大学都市です。人口10万人強の落ち着いた街並みと学生数の多さのバランスが独特の雰囲気を生み出しており、「学生の街」として知られています。ノーベル賞受賞者を複数輩出していることも、国際的な知名度を支えています。
出典:
医学部(Medicine and Surgery)の概要
課程の基本情報
パヴィア大学の医学部が提供する英語課程「Medicine and Surgery」は、6年制の一貫プログラムです。修了するとイタリアの医師国家試験(Esame di Stato)の受験資格が得られ、EU域内での医師免許として認められます2。日本での医師免許取得については別途の手続きが必要となりますが、WHO認定校リストへの掲載もあり、国際的な承認を受けた課程です。
カリキュラムは前半3年間で基礎医学(解剖学・生理学・生化学・病理学など)を中心に学び、後半3年間は臨床実習が主体となります。大学附属病院(Policlinico San Matteo)での実習が充実しており、早い段階から実臨床に触れる機会があります3。
出典:
- https://web.unipv.it/formazione/offerta-formativa/corsi-di-laurea/medicina-in-inglese/
- https://www.sanmatteo.org/
学費について
イタリア国立大学の学費は所得連動型(ISEE方式)で算出されるため、学生ごとに金額が異なります。2025-2026年度の参考値として、EU学生では年間数百ユーロから上限約3,000〜4,000EUR程度、EU外学生(日本人を含む)では固定額の授業料が設定されているケースが多く、同年度の英語課程については概ね年間3,000〜4,000EURの範囲とされています4。
ただし、2026-2027年度の正確な金額は本稿執筆時点で公式から確認中です。入学を検討している場合は、大学公式の「Tasse e contributi」ページを直接確認してください。
出典:
入学選抜プロセス
ICAT(旧IMAT)について
2024年度より、イタリア国内の医学英語課程への入学選抜はIMAT(International Medical Admissions Test)からICAT(Italian Clinical Aptitude Test)に移行しました5。ICATはイタリア教育省(MUR)が主管し、各大学共通の試験として実施されます。試験はすべて英語で行われ、科学的推論・批判的思考・生物学・化学・物理学・数学の問題が出題されます。
日本国内での受験については、指定された試験会場情報をMURもしくはBritish Councilなどの公認実施機関のサイトで確認する必要があります。試験日程は例年9月頃に設定されますが、2026-2027年度の具体的なスケジュールは公式から続報待ちです6。
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EU外学生の定員枠
イタリアの医学英語課程は、EU学生枠とEU外学生枠に分けて募集されます。パヴィア大学の英語課程における2025-2026年度のEU外学生定員は、MURが定める配分に基づいており、全イタリアの英語医学課程合計でEU外学生に割り当てられた定員は例年100名前後で推移しています7。パヴィア大学単独の枠については公式発表をもとに確認してください。
競争率は高く、英語力・理科系科目の対策を計画的に進める必要があります。
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奨学金・生活支援
EDiSU(地域奨学機関)
パヴィアには、州立の学生支援機関EDiSU Pavia(Ente per il Diritto allo Studio Universitario)があります。所得・成績条件を満たす学生には、奨学金・学生寮(コレジオ)・食堂補助などが提供されます8。EU外学生も申請可能なケースがあるため、早期に問い合わせることをお勧めします。
出典:
コレジオ・ゴーレ制度
パヴィア独自の制度として、名門カレッジ(Collegi di Merito)への入居制度があります。成績優秀な学生が選抜され、寮費が大幅に補助される仕組みです。Collegio Ghislieri(1567年設立)やCollegio Borromeoなど歴史ある施設があり、国際学生も応募できます9。
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キャンパス・生活環境
パヴィアの市街地はコンパクトで、中心部は徒歩・自転車で移動できる規模です。学生向けの飲食店や書店が充実しており、生活費はミラノと比べると抑えやすい環境です。ミラノ中央駅まで電車で約30分という立地のため、大都市へのアクセスも良好です。
気候はポー川流域のため冬は霧が多く、夏は蒸し暑くなります。日本との気候差は大きくないものの、冬の霧については現地学生からも言及されることが多いポイントです。
日本人コミュニティはミラノほど大きくありませんが、医学部を中心に日本人在学生は一定数います。ミラノまでの距離が近いため、日本食材や情報収集にそれほど困らない環境です。
出願・準備のステップ
- ICAT の受験資格・日程を確認する MUR の公式サイトおよびBritish Councilで最新情報を確認します。
- 出願書類を準備する 高校の成績証明書・英語スコア(IELTS/TOEFLなど)・パスポートコピー等が一般的に必要です。
- ICATの科目対策を進める 生物学・化学の問題比率が高く、英語での理科問題演習が重要です。
- ビザ・在留資格の手続きをする イタリア留学ビザ(Visto per studio)は入学許可後に日本のイタリア大使館で申請します10。
- 住居・EDiSUの手続きを並行して進める 入学後すぐに申請しないと定員が埋まることがあります。
出典:
まとめ
パヴィア大学の医学英語課程は、歴史・研究環境・生活コストのバランスが取れた選択肢のひとつです。選抜はICAT一本で行われるため、試験対策の質が合否を大きく左右します。学費・定員・出願期限など年度ごとに変更される数字は、必ず公式サイトで最新版を確認するようにしてください。
2026-2027年度の出願を考えている場合、ICATの受験登録は通常夏頃に始まるため、今からMURの公式ページをブックマークして更新を待つのが現実的な準備です。
Footnotes
-
Università degli Studi di Pavia 公式サイト「Storia dell'Ateneo」https://web.unipv.it/ateneo/storia/ ↩
-
Medicine and Surgery – University of Pavia 公式ページ https://web.unipv.it/formazione/offerta-formativa/corsi-di-laurea/medicina-in-inglese/ ↩
-
Fondazione IRCCS Policlinico San Matteo 公式サイト https://www.sanmatteo.org/ ↩
-
UNIPV 授業料情報ページ https://web.unipv.it/servizi/segreterie-studenti/tasse-e-contributi/ ↩
-
イタリア教育省(MUR)ICAT 公式ページ https://www.mur.gov.it/it/atti-e-normativa/icat ↩
-
British Council ICAT 情報ページ https://www.britishcouncil.it/en/exam/icat ↩
-
MUR「Medicina in lingua inglese – Posti disponibili」https://www.mur.gov.it/it/atti-e-normativa/medicina-in-lingua-inglese ↩
-
EDiSU Pavia 公式サイト https://www.edisu.pv.it/ ↩
-
Collegio Ghislieri 公式サイト https://www.ghislieri.it/ ↩
-
在東京イタリア大使館 ビザ情報 https://ambtkyo.esteri.it/ja/ ↩