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ルーマニアの医学部進学ガイド

EU

ルーマニアは東ヨーロッパに位置するEU加盟国(2007年〜)で、古くから日本人医学部志望者が注目してきた留学先のひとつです。英語・フランス語コースを設ける歴史ある国立大学が複数あり、EU圏内の医師免許(ルーマニア医師免許)を取得できる点が最大の魅力です。物価はEU諸国の中でも低水準で、学費・生活費を抑えながら6年間の医学教育を受けられる環境が整っています。首都ブカレストのほか、クルジュ=ナポカ、イアシ、ティミショアラなど大学都市が分散しており、都市ごとに雰囲気や生活費が異なります。治安はEU基準でおおむね良好ですが、スリや置き引きなど軽犯罪には注意が必要です。ウクライナとの国境を接しており地政学的リスクはゼロではありませんが、NATO加盟国であり2025年時点で直接的な安全保障上の脅威は限定的です。医学部志望の日本人にとっては、欧州水準の医学教育・EU医師免許・比較的低い学費という三拍子がそろった有力な選択肢です。

大学
10校
出願実績
1件
学費
英語コース EUR 5,000〜10,000 / 年(大学・コースにより差異あり。EU市民はルーマニア語コースで無償〜低額の場合あり)
授業言語
英語・フランス語コースあり。1年次にルーマニア語が必修となる大学が多い

医学部教育の概況

■ 学制・年限 ルーマニアの医学部(Facultatea de Medicină)は原則6年制で、前半3年が基礎医学、後半3年が臨床実習中心のカリキュラムです。卒業後は国家試験(Rezidențiat)を経て専門研修(レジデント)に進む仕組みで、これはEUのGMD(一般医師指令)に準拠しています。

■ 主要大学と傾向 代表的な大学は以下のとおりです。 ・Carol Davila 大学医学部(ブカレスト):ルーマニア最大・最古の医科大学。英語・フランス語コースあり。 ・Iuliu Hațieganu 大学(クルジュ=ナポカ):欧州で高い評価を持つ中部拠点校。英語コース充実。 ・Grigore T. Popa 大学(イアシ):モルドバ国境近くの東部拠点。英語・フランス語コースあり。 ・Victor Babeș 大学(ティミショアラ):西部拠点。英語コースあり。

■ 授業言語と日本人の学習環境 外国人留学生向けに英語コース・フランス語コースが整備されており、英語のみで卒業要件を満たすことが可能な大学が多いです。ただし、臨床実習では現地の患者対応上、ルーマニア語の基礎習得を求める大学もあります。ルーマニア語は1年次に必修科目として設置されるケースが一般的です。

■ 学費レンジ 英語コースの年間学費はおよそ EUR 5,000〜10,000 が相場です(大学・コースによって差異あり。2025年度入学者向け公式情報を各校で要確認)。EU市民はルーマニア語コースに限り無償〜低額となる場合があります。

■ 進級制度・留年率 各科目は絶対評価(10点満点)で採点され、5点以上が合格です。再試験(restanță)は通常2〜3回与えられますが、解剖学・生理学・生化学など1年次科目での脱落率が高く、1年次の留年・退学率が20〜40%に上る大学もあると報告されています(大学・コホートによって大きく差異あり)。進級要件は各大学の学則に依存しており、入学前に留年・退学ポリシーを必ず確認することを推奨します。

■ 生活費の目安(月額) ・家賃:EUR 200〜450(ブカレストは高め、地方都市は低め) ・食費:EUR 150〜250 ・交通費:EUR 15〜30(学生定期あり) ・光熱費:EUR 30〜80(冬季暖房費に注意) ・通信費:EUR 5〜15 合計:月額 EUR 400〜800 程度が目安(都市・生活スタイルにより変動)。

■ 国旗・イメージ ルーマニア国旗(青・黄・赤の三色旗)が目印。大学の公式サイトや学都の風景写真と組み合わせた画像素材を使用すること。

医師ライセンス・卒後パス

■ ルーマニア国内での医師免許取得 6年間の課程を修了し卒業試験に合格すると、ルーマニア医師免許(Diplomă de Licență în Medicină)が授与されます。その後、専門医になるには国家統一試験「Rezidențiat」に合格し、3〜7年の専門研修(レジデント)を修了する必要があります。

■ EU圏内での承認 ルーマニア医師免許はEU医師資格相互承認指令(2005/36/EC)に基づき、EU・EEA加盟国で原則そのまま承認されます。英国(Brexit後)は別途申請が必要です。

■ 日本帰国後の医師資格手続き 日本で医師として働くには、厚生労働省による外国医師免許の認定審査(医師法第17条関連)を経て、日本の医師国家試験の受験資格を得る必要があります。ルーマニアの医学部卒業者が日本の医師国家試験受験資格を得た実績はありますが、認定可否は個別審査となるため、必ず厚生労働省・医事課に事前相談することを強く推奨します。認定基準は随時改訂される可能性があるため、最新情報は厚生労働省の公式発表を参照してください(公式から続報待ち)。

ビザ・滞在の注意点

日本国籍者はEU加盟国であるルーマニアへの入国に際しビザ免除(短期90日)が適用されますが、6年間の就学には「長期滞在許可(Permis de ședere)」の取得が必要です。入学許可証・在学証明・健康保険加入証明・財政能力証明などの書類を揃え、入国後60日以内にルーマニア移民局(IGI)へ申請するのが一般的な手順です。学生ビザ(Viză de lungă ședere pentru studii / D/SD)を日本出国前に在日ルーマニア大使館で取得してから渡航する方法も可能です。アルバイトなど就労については学生許可の範囲内で制限があるため、事前に大使館・大学の留学生担当窓口に確認してください。手続き・必要書類は年度ごとに変更される場合があるため、最新情報は在日ルーマニア大使館の公式サイトを参照することを推奨します。

ルーマニアの大学

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